酸化チタンとは、チタンという遷移元素と酸素原子が二重結合した一種の半導体です。紫外線などの光のエネルギーを受けることで、空気中の水分と酸素から活性化し触媒作用を示す物質になります。光を当てることで強い酸化反応や還元反応を起こしやすくなり、有機物や汚れなどの様々な物質が水や二酸化炭素などに酸化分解されていきます。
白色の顔料で被覆力や着色力に優れることから、おしろいやファンデーションなどの化粧品には欠かせない、一般的な物質といえるでしょう。また歯磨き粉などに使われる食品添加物や電子材料などにも用いられ、その用途は幅広く、環境や人体への影響もなく無害とされています。
ほとんどの酸化チタンは、非常に小さい粒子であるナノマテリアルで構成されます。細かい粒子であるため、単純に人体への影響を懸念される方もいらっしゃるでしょう。しかし、外壁コーティングに比べ、はるかにナーバスにならざるを得ない食品や化粧品などの分野でも使用が認められていることからも、その安全性をうかがうことができるでしょう。
通常、空気中に存在している活性酸素を大量に体内に取り込むことは、人体に悪影響を与える恐れがあります。しかし、光触媒反応により生成される活性酸素は、あくまでも外壁コーティングされたその表面のみで進行するため、空気中に活性酸素が浮遊するということがありません。また、活性酸素の寿命は非常に短いこともあり、体内に取り込まれる心配はないといえるでしょう。